学習障害の児童や社会人の人は、通常よりも自己評価が低めの傾向にあります。ハンディキャップの影響で、家庭や職場、学校などで常に低い評価を受けていたため、自暴自棄な自己評価をしている人が多く、看護師はスパルタ的な接し方は自重しなければいけません。
北風と太陽の童話は、学習障害の支援にも応用できる考え方です。北風のように、無理やり学習障害の症状を直そうと看護師がアプローチをしても実際は逆効果になります。
学習障害の児童や社会人は、自責の念が人一倍強い人が多く、どちらかといえば真面目で責任感が強い性格なのです。そこに厳しい態度で叱責すれば、看護師の指導が引き金となって別の精神的な問題が誘発されかねません。
そのため、北風と太陽の童話でいうところの、太陽のような温和で優しい態度で接することが学習障害の看護の基本といえます。頑張っていることを褒める、できない部分に注目するのではなくできた部分に着目して評価することが、看護師として支援するうえで大切なことです。
学習障害の児童や社会人でも、実はこれだけは誰にも負けないといった得意分野を持っていることがあります。看護師はその得意分野を早期に見つけ出し、まずはその部分を徹底的に評価して、健全な意味でのプライドや自尊心を改善させることが大切です。
さらに、学習障害の人はうつ病を抱えるリスクが高く、大勢の人が発症まではいかなくても慢性的なうつ症状に悩んでいる傾向にあります。そこで、ストレスフルな生活に陥っている学習障害の人であれば、並行してメンタルケアを施すことも欠かせません。